時は繰(く)り流れに惑い 迷い微睡(まどろ)む間(ま)に 時雨(しぐれ)に標(しるべ)遣(つか)い世に 万(よろず)を描(えが)くこの歌 甘く数多(あまた)に新(あらた)しく 届く一つの傘 色が出て貴(あて)やかに反り 触る事も厭わない 林の路(みち)に緑の雨を 憧れて手で掴む 冷たく沁みて 心だけには朝を呼ぶ いづれゐぬ日の五月雨(さみだれ)に 浮き名に語り乞い 今は憂(う)くこの雨の歌 万を描くこの歌 時は繰り流れに惑い 迷い微睡む間に 時雨に標遣い世に 万を描くこの歌